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例会・校正者勉強会・一日勉強会・校正メモの内容をまとめた会報版を掲載します。

例会より          

 

8月例会 全体学習  

アクセントを知ろう

 

 今月の全体学習は小松美奈子さんに講師をお願いし、「アクセント」について学びました。小松さんは、5月に行ったアンケートの内容から多くの会員が困っている「動詞」を中心にお話ししてくださいました。学習した内容について項目ごとに概要をお伝えします。

 

1 アクセントについての基本的な確認

初めに確認したのは「アクセントは拍で数える。1拍とは・・・。」「アクセントの変化の形は大きく分けて平板と起伏がある。」「語の1拍目と2拍目は必ず高さが変わる。」の3点です。

この確認の際、第2アクセントや第3アクセントがNHKアクセント辞典ではどのように表記されているのか確認しました。いつも利用している辞書ですが、あらためて辞書の最初にある「この辞典の記号」をきちんと読むことの必要性を感じました。

 

2 「動詞+助詞」の場合のアクセント

ほとんど動詞のアクセントの型は変わらない、主に変わるのは助詞の方であるということでした。そして、 (1)助詞が動詞の終止形・連体形についたもの (2)助詞が動詞の連用形・仮定形・命令形についたものに分けて説明がありました。(1)(2)とも、動詞に続く助詞のグループごとに平板式動詞の場合、起伏式動詞の場合について学びました

 

3 「動詞+助動詞」の場合のアクセント

(1)助動詞が動詞の終止形・連用形につくものは複合の度合いが弱く、「まい」に続く場合を除きほとんど動詞のアクセントの型は変わらないということでした。「まい」がついた場合は、起伏式動詞の型を高く平らに変え、すべて助動詞の第1拍まで高く、2拍目から下がってつくということでした。(ナクマ\イ ワラウマ\イ)

(2)助動詞が動詞の終止形・連体形以外の活用形(未然形)につくものは、ほとんど動詞のアクセントの式を生かすということでした。

そして、(1)(2)とも、動詞に続く助動詞のグループごとに平板式動詞の場合、起伏式動詞の場合について学びました。「動詞および助動詞がどのようなグループであるか考え、代表例にあてはめてみて類推していく必要がある」という説明がとても大切だと感じました。

 

4 「動詞+動詞」の結合動詞のアクセント

  前部動詞のアクセントによって決定されるという説明がありました。そして、(1)前部動詞が平板式の場合は後に続く動詞が平板であっても、起伏であっても全体として起伏(中高型)になる (2)前部動詞が起伏式の場合は原則平板、現代では中高になる傾向がある、ということでした。例外として「擦る」は起伏式だが「ス\ル」「スリム\ク」「スリムケ\ル」のみで平板はないということでした。

 

5 応用問題

 1~5までの説明を聞いたあと、5問の応用問題に取り組みました。その中の1問についてご紹介します。


問題 「首をかしげているらしいです。」    


 さて、どのように考えていくのでしょうか?

 まず、「かしげる」のアクセントは数字で書くと3です。でも助詞の「て」が続いて「かしげて」になるとアクセントは2になります。これは「かしげる」が一段活用の動詞であるからです。

一段活用の動詞は「て」や「た」が後に続いた場合は、アクセントの変わり目が前に一つずれます。「動詞が平板式か起伏式か?」という視点だけではなく「この動詞の活用形は?」と考えるのも大事なことだと、ここで学びました。なお、このことについてはNHKアクセント辞典の付録、「動詞に付属が付いた場合の発音とアクセント」の表でも確認できます。

 

今回の全体学習では辞書の付録の活用にも触れて説明していただきました。自分で調べて分かるためにはもっと辞書と仲良くならなくては、と感じるとともに学生時代に学習した「文法の本がほしい!」と思いました。(本はなくてもネットで調べたらいろいろでてきました。)小松さんも「辞書から勉強した」とおっしゃっていました。詳しい資料を作ってお話ししてくださった小松さんに感謝いたします。ありがとうございました。

  全体学習の資料は残部が校正室においてあります。校正室に来られないけど欲しいという方は学習班または理事にご連絡ください。

 

校正者勉強会より

全体学習

8月4日(火)の全体学習は、「アクセントの聞き取りと辞書の使い方」でした。

 

はじめに、間違ったアクセントで読んだ7つの例文を聞きました。アクセントの下がり目を確かめるために何度も聞き返さなければならない例文もありました。

つぎに、それぞれが聞き取ったアクセントについて発表し合いました。各自の聞き取りに違いもありましたが、小松美奈子さんに解説をしてもらいながら全体で確認しました。

その後、正しいアクセントについて、各自で辞書を使って確認をし、例文を正しいアクセントで聞きました。名詞のアクセントは調べやすいのですが、動詞や形容詞のアクセントは何通りかあったり、また付属語が付くとさらに幾通りもあったりするので、その場合の辞書の活用のしかたについて解説してもらいました。特に詳しく解説をしてもらったアクセントは、以下の通りです。

◎動詞に付属語が付いた場合のアクセント

1 行けなかった

  いけなかった:いく0⇒いける0(可能表現)

⇒いける+なかった=いけなかった 3        ※NHKアク辞付録p234

(漬ける:つける 0+なかった=つけなかった 3 と同じ) 

2 駆け付けた

 ⇒かけつけた:かけつける0+た=かけつけた 0

  かけつけた:かけつける4+た=かけつけた 3    ※NHKアク辞付録p230

(炒める:いためる 3+た=いためた 2  参照)

3 出し切ったが

 ⇒だしきった:だしきる 0+た⇒だしきった だしきった+が=だしきったが 5

        だしきる 3+た⇒だしきった 3⇒だしきった+が=だしきったが 3

※NHKアク辞付録p230   ※NHKアク辞付録p228

4 落ちつかせるように

  おちつかせるように:おちつく0⇒おちつかせる0

⇒おちつかせる0+ように=おちつかせるよーに 7

(固める:かためる 0+ように=かためるように 5  参照)

※NHKアク辞付録p239

◎形容詞に付属語が付いた場合のアクセント

 やさしく

 ⇒やさしい 0+く=やさしく 0

  やさしい 3+く=やさしく 3 または やさしく 2

   ※NHKアク辞付録p248

アクセントを聞いてすぐには「下がり目」が分からず、何度か聞いて自分でも復誦してみてやっと「下がり目」が分かって「\」を入れたり数字で表したり、という作業。でも、復誦しながら混乱してしまい、ますます「下がり目」が分からなくなるという場面もありました。もちろん、聞きながらすらすらと「\」や数字を書き入れている方々も多数いらっしゃいましたが。

正しいアクセントの調べ方(辞書の利用の仕方)については、「行けなかった」のアクセントは元の語(「行く」)が「行ける」(可能)になる。「行ける」は「漬ける」と同じ活用なので・・・。さらにその打ち消しを表す付属語「なかった」を付けると・・・・。アクセント辞典の付録ページをあっちこっち捲りながら混乱してしまいましたが、グループや全体でも説明し合ったり、小松さんに丁寧に順序立てて解説していただいたりしたので、今後の校正にすぐに生かせると思いました。          
*次回の勉強会は、10月14日(火)です。

校正票資料はこちら!




一日勉強会 (担当 髙橋和子さん)       

8月1日勉強会報告

 今回は、略語の処理方法を考えながら文章を読んでみました。

 

1回目は「正式な機関名+略語」2回目は「略語のみ」です。略語は本文の中で約80ページ離れています。また、この略語は本文に2回しかでてきません。略語を1回目に読んでから2回目に略語だけ読んでも伝わらないので、①正式な機関名で読み替える ②略語+正式機関名を補足して読む、といった処理が必要では、ということになりました。このような例はあまりみられない書き方です。視覚に障害がある・ないにかかわらず、読者にはやや不親切に感じられます。あらためて、どのような処理をしたらよいか考える事例でした。

*次回予告 

9月1日勉強会は「読みの基本」です。スピード感のある場面を読んでみましょう!場面にあった速さや間を考えて読み合います。是非ご参加下さい。

担当は野崎明美さんです。

校正メモ
 

<校正者勉強会より>

読み方

・pp.109-142  109ページ から 142ページ

・定価を読む位置 

定価に関する記載がある時・・その文言は読まず「定価○○円」と書いてある通り読む

定価に関する記載がない時・・カバーから補って「定価○○円」とISBNの前に読む

定価に関する記載もISBNもない時・・定価 ISBN 原本奥付 の順に読む

・書名カードと原本奥付の読みの順が違っている時がありますが、違っていても構いませんので、書いてある順にお読みください。

 

アクセント

・まずもって 13(新NHK)まず・もって1-1

(新明解にありますが(新はまずもって 3)とあり)
・交差  10

 

<校正室より> 

 
原本奥付内の電話番号の部分
TEL 電話、また電話と書いていなくても「電話」と読みます。
電話番号 と書いてあるときは「電話番号」とお読みください。   

 

 
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