各勉強会より
8月例会
8月19日(月)例会の出席者は35名でした。
今月は、「系図を読む上でのポイント」を加藤由美子さんに教えていただきました。
加藤さんは、系図を見て聞いたり読んだりするのと、何も見ずに聞くのでは印象が違うものなので、まずは聞いてみましょうと始められました。
加藤さん野崎さん、他の方々の音声訳音源を聞かせていただきながら、資料を基に具体的に系図を読む上でのポイントを説明してくださいました。
お話しいただいたポイントは以下の通りです。
<系図を読む上でのポイント
- キャプションに加えて、全体がどのようなものかを知るための前置きをつける
大体、あの時代のものか…、何代書かれているか、誰から誰のことか、というように理解しやすくなるそうです。
- 場合によっては、関係ないと思われる人は省略することもある
全部を読まなければいけないわけではなく、系図で何が言いたいかに合わせて工夫が必要で、色んなやりようがあるとのお話しでした。
- 時代物の系図に出てくる用語は注意が必要
女は「むすめ」、男は「むすこ」と読むことや、結婚についても状況に合わせて「婚姻して」「冷泉天皇に入内」など、本文に忠実にと教えていただきました。
- 何代にもわたる膨大なものは、系図の右側に何代の数字を付けてパターン化する
パターン化すると、それほどでもないか・・と思えるそうです。
〇代目と言って横に進み、××の流れと言って縦に進む。〇代目の流れは終わりま す、×代目に戻り、など、聞いてわかりやすい工夫も必要。
- 読み方はいろいろなので、本文の中で何のためにある系図なのかを考える
系図は上から読むものと思っていらしたそうですが、読み手によっては、下から (メインの人物から)読む方もおり、その発想に驚かされたそうです。
- 聞く上で全体が想像しやすくなる「間」が大切
- いろいろなものを聞いて自分の中に選択肢を増やしておきましょう
大河ドラマのお話を交えながら、「三人のあきこ(彰子・明子・詮子)」の読みわけのお話、日本の系図は右側の年齢が高いがイギリスは左側であることなど、盛りだくさんの内容でした。
終わりに、墨字で見ても難しいものを聞いてわかるのは至難の業。困難な仕事ではあるが、われわれがやらなければならない仕事、AIにはできない仕事と考えて、楽しんでやりましょうと締めくくられ、みなさんの拍手が鳴り響く中、閉会となりました。
※資料と出席者の感想は校正室にあります。
*次回予告
9月の全体学習は17日(火)です。
内容は「レクディア操作・機器配置など、録音データを聞いて学ぼう」です。
8月校正者勉強会
8月5日(月)の校正者勉強会の出席者は23名でした。
*全体学習
全体学習は、「調査関連」。
「情報の正誤を見抜く力テスト」「読み間違いやすい漢字クイズ」を解きながら阿部純子さんに解説をしていただきました。
はじめに各人で問題に取り組み、その後に答え合わせをしながら解説をしていただきました。
「情報の正誤を見抜く力テスト」では、○、△、×を付けていきました。○だけと×だけの項目はその通り納得できましたが、△や△または×が付く項目が多くあり、一つの情報源からだけでなく他の情報からも確認をする必要があることを再認識しました。
「読み間違いやすい漢字クイズ」でも、参加者一人ひとりに解答してもらいながら解説をしていただきました。辞書によっては幾通りもの読みがあるので確認が必要であること、「㉑ 四代目・七代目・九代目」のように特殊な場面(歌舞伎や落語)での読み方があることなどを教えていただきました。
「どうかな?」と思ったら確認することが、いつでも大事ですね。
*次回予告
9月の校正者勉強会は9日(月)です。
全体学習は「みなさんから」。校正をしていて気になったことや疑問に思ったこと、困ったことなどをメモに残しておいてください。みなさんで話し合いましょう。
校正票資料
一日勉強会
8月1日勉強会報告(小松美奈子)
校正者も対象ということで、たくさんの方々にご参加いただきました。
動詞の活用形、助動詞がついたときの間違ったアクセントの聞き取りと表記の仕方。正しいアクセントの表記の仕方。また、その根拠についても考えました。
違和感があっても二通りのアクセントがあったり、特に間違えやすいものについても取り上げました。
根拠を確かめる際のNHK新アクセント辞典の付録の見方についても確認しました。分解しすぎるとアクセントの山が多くなり、かえってポコポコした不自然なアクセントになるようです。「より良い読み」には自然な流れになるようなアクセント表記にするほうがいいように思います。 これからの校正・音訳の参考になるとうれしいです。
*次回予告
9月1日勉強会は「上手な読みを聞いて味わってみよう」です。