各勉強会より
全体学習(学習班担当)
みんなで同じ課題を読んでみよう!(グループ学習)
他の人はどのように読んでいるのだろう。自分の読みに悩むときによぎる疑問です。
ならば、コロナ禍の前は年に1度ほど行っていたグループ学習をやってみたい。というのがこの提案の発端です。
一日勉強会でじっくり一つの課題を指導していただいている加藤さん、野崎さんに講師をお願いしました。また、会話文を勉強したいという希望に応えていただきました。
課題は「雛の花」。浅田次郎の「霞町物語」の中の一篇です。登場人物は紳士と祖母、孫の三人です。作品の解説も用意しました。
はじめに野崎さんの読んだデータを聞き、イメージができたところで、グループに分かれました。ポイントは会話と地の文の表現の仕方、間、音の高低や緩急の使い方。
学習が終わってからの様子を見ると、そのほかにもたくさんの収穫があったようです。
「会話文ををどう読むか?」という課題意識から行われた研修でしたが、年齢を意識した声のピッチやスピード、遠くの人に話しているのか、近くの人に話しているのか伝わる読み方等たくさんのポイントを学ぶことができました。
また、その場の情景が浮かぶような読みのスピードや、場面が転換するときの間の取り方についても教えていただきました。
校正者からは「聞いていて、情景が思い浮かべられるように短時間の研修のうちに変わってきた」という感想をいただきました。 (記録 星)
学んだことがたくさんありました。その中から特に大事だと思ったこと。
・演技はしなくて良いが、人物の年齢なども考慮して、聞いている人が想像しやすいように読む。
・その場の情況に合わせる。たとえば、同じ言葉が2回続くところは距離感なども考え、変化をつける。
・地の文から会話文に入るときは間をとる。そのようにすることで登場人物の気持ちの変化が分かる。セリフが生きる。 (記録 鎌田)
・最初に野崎さんのお手本の読みがあったことで、読みやすかった。さらに、作品の解説があったことで、どうしてそういう声のトーンなのか、など考えることができた。
・校正者の方から。地の文と会話文の間の「間」が大切で、文の雰囲気もあるので野崎さんのような間があるといいと思ったという感想や声色を変えるというのではなく、雰囲気を変える読みのことなど、参考になった。
・さっき手にしたばかりの作品を、みなさんアッという間に上手に読みこなしていてすごいと思った。 (記録 布台)
たった2ページの文章から、お芝居の舞台が出来上がったような深読みができました。皆さんの創造力のなせる業!
きぬさんは後段、地下鉄の駅も目に入らないほどの憔悴。祖母が消えてしまう心配をする僕。何があったのでしょう。文章から情景を描きどう読むか。間の取り方ポイント、地の文と会話文、場面の変わり、僕の声は上向きに、きぬさんと紳士の距離感を感じながら・・・という発言が多々ありました。とっても面白かったです。 (記録 古内)
声を出して一人一人が読むために大変緊張した時間でしたが、このような研修をくり返しながら、少しでも音訳の力を付けていきたいものだと思いました。
課題の準備からきめ細かいご指導まで、講師の先生方本当にありがとうございました。
10月校正者勉強会
全体学習 「みなさんから」と「若者ことばのアクセント」です。
・チルする(チ\ルスル)・・・寛ぐ、まったりする。
・OK boomer(オ\ーケー ブ\ーマー)・・・上から目線の相手に対して「いいから、いいから」「分かった、分かった」「勝手に言ってて」と軽くあしらったり受け流したりするときに使うようです。
・裏アカ(ウラアカ 0)・・・ソーシャルアカウントとは別に秘密裏に作ったアカウン ・鍵垢(カギアカ 0)・・・一般非公開のアカウント
・一生仲仔(イッショーナ\カコ)・・・一生仲のいい子
・ナ\カチ(辞書では 仲子 なかちこ とも)・・・きょうだいの中で年齢が中間にある子
・蛙化現象(カエルカゲ\ンショー)・・・好きな人の些細な面を見て熱が冷めること
「若者ことば」については、今後も紹介していただけるそうです。
<読みについて>
・太字、細字、網掛け文字、傍線や傍点の付いた文字、「・・・・・・っ。」「あ″」「え″」「??」などの読み方⇒音訳者の表現力にも関わるが、読みの流れや文章の理解を妨げなければあまりこだわらなくても良い。校正者もそのことを理解して校正してもらいたい。
・複合語の読み方やアクセントは一筋縄ではいかない。
「無断複製」の区切り方⇒「ムダン・フクセー」の方がいいのかも。(根拠はない)
「超大型新人」の区切り方⇒「チョー・オーガタシンジン」が妥当。「オーガタ・シンジン」ではない。(大型が新人を修飾しているから)
・アドレスの読み方
http://www/daiwashobo.co.jp スペル読みだけではなく「ダイワショボー」と入れた方が
分かりやすいのでは?⇒入れると長くなる、入れたこともある、等の情報もあるが、現在はまとまったスペル読みだけでよい。
・2009(平成21)年5月の読みについて
2009年平成21年5月と「年」を補うようになったが、2009平成21年5月と切れ切れでなければ「年」を補わなくてもよいと確認できた。
・ルビが後半に出てきて、前半で拾い直すのが難しいときなどに(1校の場合だが)2校への申し送りをするときは、ファイルの通信欄ではなくメモにして伝えたい。
・本文の中頃にルビが出てきて、音訳者さんはそのルビが付いている1~2箇所だけ「ルビ・元の語」の順に読んでいたが、前半・後半にもその語句がルビ無しでたくさん表記されていた。音訳者さんは全て元の語だけを読んでいたので、センターに相談して「ルビ・元の語」の順で読んでいた箇所を「元の語・ルビ」の順で読んでもらうよう指摘した。
・名詞+動詞のアクセントは、名詞が立っているときはそのままでよいことが分かった。
・「注」の読み方
本や内容によって最後にまとめて読んだり、読み込んだりすることが分かった。迷ったり困ったりしたときは、センターに相談する。
<調査について>
・検索するとAIでの情報が出てくるが、信用度の判断が難しい。
・電子辞書を活用してアクセントを耳で確認している。
・校正票の書き方
指導的表現はよくないとのことだったが、音訳者の立場としてはへりくだった表現よりは簡潔に書いてくれた方がよい、とのこと。
・指導的にならないよう、しかも分かりやすい指摘表現の例文集のようなものがあればよい。
<その他>
・最近の校正からのメモ
二月 ニガツ 副詞的用法では 0 名詞の場合は 3 (NHKアク辞)
血腥い:チナマグサイ 足掻く:アガク 灯火:トーカ(トモシビではない)
真正面:マショーメン 真っ正面:マッショーメン
塞げて:フセゲテ フサゲテ
・下調べ表は、校正者にとっても助かる。図や写真などの音訳者の工夫もよく分かる。
・レクディアでの録音の操作法を知らないので、校正をしているときに誤った操作をして焦ることがある。録音の基本操作の勉強会をしてほしい。
・アクセントをたくさん拾われると、修正したときに全体の流れが悪くなってしまう場合がある。(音訳者の立場から)
・アクセント等、耳で聴いて覚える教材として幸田幸子さんのCDを聴いたことがある。他にCDやラジオ番組でお奨めはないだろうか。
今回も日頃の活動の中で気になっていたことや疑問に思っていたこと等を自由に話していただきました。ありがとうございました。
〈次回予告〉
1月の校正者勉強会は14日(火)です。
全体学習は「みなさんから」です。校正をしていて疑問に思ったことや迷ったことだけでなく、解決したことでも「こんなことがあって・・・」と話してほしいです。気になったことはメモしておいてください。
*校正票資料
校正票資料にリンクできない方は次のアドレスにアクセスしてください。https://drive.google.com/drive/folders/1TnQUm3dVH1Yd4FXmRYbkhAqX_7yJ5S6l?usp=sharing
★校正メモ
校正者勉強会より
読み方
石化 せっか
前発酵 まえはっこう 後発酵 こうはっこう
http://www/daiwashobo.co.jp アルファベットのみ読みます
校正室より
Recdiaアップデートのお知らせ
【変更内容】
Recdia波形選択削除機能を追加しました。
波形画面上で「Shiftキー」を押しながら左クリックすると範囲選択が可能になりました。対象範囲を選択して、メニューバーの「フレーズ操作(P)」から「波形選択削除(Del)」、または右クリックのポップアップメニューからも指示ができます。
範囲指定は最小0.1秒単位から削除ができます。
フレーズとフレーズの間に入ったノイズを削除する操作が簡単になりました。
※Daisy編集ソフトの機能変更はございません。なお、アップデートを行うには、修正プログラムのダウンロードとインストールが必要です。ダウンロードとインストール「ダウンロード」メニューの「ダウンロード手順」「インストール手順」を参考に、「修正プログラム」カテゴリから行えます。
※録音室のPCはまだアップデートしていません。やり方が分からない方は齋藤まで。
一日勉強会
11月1日勉強会報告
11月は、江戸の地図の説明を中心に聞いてみました。
大川(隅田川)界隈を舞台にした時代小説に掲載されている地図3種類と、鎌倉時代の鎌倉の地図です。
聞いてみて思うのは、まず、滑舌と間の取り方が大事だということ。それと、どういう風に読んでいくかという断りを入れると理解しやすくなります。
注意したいのは、地図の上下左右で説明していくのか、東西南北で説明していくのかを決めて、混在させない方が位置関係が分かり易いということ。
地図は、掲載の目的によって説明の仕方を工夫しなければなりませんが、AIにはできない処理なのでやりがいがありますよ!! (加藤由美子さん)
<次回予告>
12月1日勉強会は、読みの基本「小説の中の字説を読む」です